AWSとは?特徴やできること、導入時の注意点など基本から一挙に解説!

マイグレーション

AWSの特徴やメリットについて解説します

クラウドコンピューティングサービス(クラウド)を検討する上で、代表的なサービスであるAWS(Amazon Web Service)を検討候補の一つとする企業は多いのではでしょうか?

AWSはサービスが豊富でできることの幅が広いクラウドサービスです。使いこなすことによって非常に便利に活用でき、ビジネスの幅も広がっていくでしょう。

一方で、サービスの幅の広さから「サービスがたくさんあって何が実現できるのかわからない」「そもそもAWSのメリットやデメリットは?」といったお悩みや疑問をよく伺います。

そこで本記事では、「クラウド、特にAWSに興味があり、まずはAWSの概要をつかんで導入を検討していきたい」と考えている方に向けて、AWSの概要や特徴からメリット・デメリット、AWSで実現できることなどについて解説します。

クラウド全体に関する記事は「選ぶコツやメリットは?クラウドサービス(SaaS/PaaS/IaaS)の種類を理解しよう」をご確認ください。

AWSとは?概要について解説

AWSとは、Amazonが事業者向けに提供するクラウドサービスの総称です。正式名称はAmazon Web Service(アマゾン ウェブ サービス)。AmazonがECサイトの運営基盤として使用するコンピューターリソースを、インターネットを通じて2006年から提供しています。

調査会社のCanalysによると、2021年第1四半期のグローバルにおけるクラウド主要ベンダーシェアにおいて、32%とトップ。世界で最も利用されているクラウドサービスです。

Global cloud services market Q1 2021
出典:Global cloud services market Q1 2021

AWSには多岐にわたるサービスがあり、ウェブサイトを運営したり情報システムを運用したりする際に必要となるリソースや機能を、必要に応じて活用することができます。柔軟性や拡張性、セキュリティや障害への対応、課金体系など、AWSの特徴を次章以降で詳しく解説します。

AWSの特徴とメリット

AWSには、どのような特徴やメリットがあるのでしょうか。本記事では4つの特徴とメリットをピックアップ。一つずつ詳しく解説していきます。

【自由さ】豊富なサービスで、柔軟性・拡張性が高い

2021年7月現在で200を超えるサービスがあります。「バックアップサーバーがほしい」「Webサイトを構築・運用したい」など、目的に応じて必要なサービスを組み合わせ、活用することができます。

サービスの柔軟性・拡張性に優れており、追加や停止を柔軟に行えます。例えば、営業時間外にはサーバー稼働数を減らしたり、キャンペーンサイトなど突発的にアクセスが増える時に容量を増加させたりなど調整が可能。データ容量が不足したり、処理スピードに問題があったりする際は、ストレージサービスの設定で簡単に容量を追加・変更することなどもできます。

設定を変えるだけで目的や状況に応じた活用ができることは、嬉しいポイントです。

【楽さ】安定したパフォーマンスや自動更新

AWSは世界中にデータセンターが設置されています。利用者に最も近い場所からサービスが提供され、高いパフォーマンスを保ちつつ安定した状態のサービスを利用することが可能です。

また、定期的にソフトウェア・ハードウェアの自動更新も行われます。常に最新の状態に保たれており、自分たちで更新・管理する必要がありません。オンプレミス環境では多大なコストがかかっていたソフトウェア・ハードウェアの管理・運営がなくなることは、コスト削減や生産性の向上といった面でメリットがあります。

【安心】セキュリティ対策や障害への備え

AWSは、AmazonのECサイトで使っているセキュリティ対策がそのまま活かされています。セキュリティレベルは高く、対策の更新も常に行われています。手口が巧妙に変わり続け対処が難しいセキュリティ面を安心して任せることができることは、メリットがとても大きいのではないでしょうか。

また、AWSはデータセンターを世界中に設置しています。データ障害が発生した際は、自動的に別エリアのデータセンターにデータが移動。障害時や災害に対して備えられています。自社でサーバーを管理することと比べて、かなりリスク分散ができます。自然災害も多い中、バックアップ体制が整っているのは安心です。

【コスト削減】時間あたりの従量課金制

AWSは、使用した分の料金のみを支払う従量課金制を採用しています。時間単位での課金となっていますので、余分なコストがかかることなく利用できるでしょう。場合によっては大幅なコスト削減につながります。

機能が不要になった際は停止させ、料金を調整することも可能。使用容量に合わせるなどコントロールするというように、料金面においても柔軟性があります。

PoCなどで試したいことをスピーディに行ない、簡単にやめることもできるので、事業のPDCAが加速します。クラウド環境を使えば新しいことに挑戦しやすくなるので、DXも加速するでしょう。

AWSのデメリットは?

一方で、AWSにもデメリットもあります。こうしたデメリットが気にならない企業、克服できそうな企業であれば、AWSは向いているでしょう。5つピックアップして解説します。

サービスが豊富にあり、選ぶのが大変

豊富なサービスの中から自分で選んでカスタマイズし、構築していく必要があります。機能が多すぎて使いこなすことが難しいでしょう。また、AWSを活用する目的をしっかりと定めて選ばなければ、AWS環境の構築にかなり時間がかかってしまいます。

サービスは年々増え続けていますので、常にAWSの最新情報をキャッチアップすることも重要です。

毎月の金額変動が起こる可能性がある

余分なコストが発生せず、柔軟性・拡張性があり便利な一方で、従量課金制のため月々の費用が変動する可能性があります。正確な料金は請求書を見るまでわからないでしょう。企業によっては、経費管理の観点から変動費になることがデメリットに映ることもあります。

すべてが自由自在というわけではない

あくまでAWSという“枠”のあるサービスです。そのため、100%自社に合わせることはオンプレミス環境に比べて難しいでしょう。サービスを自社に合わせるのではなく、自社がサービスに合わせる場面もでてきます。その上で、自由さのメリットが享受できます。

ダウンタイムにも注意が必要

AWSがメンテナンスされる際、システムが一時停止されることもあります。事前にスケジュールは通知されますが、その日時に業務が滞ることもあるでしょう。自分でメンテナンスしない代わりに、スケジュールを自分でコントロールできないという点には注意が必要です。一般に公開するサービスサイトの運営に使う際は、ユーザーへの通知なども必要になることもあるでしょう。

サービスの利用方法や個別サポートはない

AWSは基本的にサービス提供のみです。実際の利用や環境の構築、データやシステムの移行は、自分で調べて行う必要があります。もちろん、トラブル発生時も自分で対応。障害発生の可能性に備え、対応策を考えておく必要があるでしょう。

AWSは便利でコスト削減などのメリットも大きい一方で、一定のデメリットもあります。注意しなければ、逆にコストが増えてしまうケースも。AWSの導入・構築・データ/システム移行・運用などが得意なベンダーに頼ることを検討しておくとよいでしょう。

AWSのサービスや実現できることとは?

AWSには豊富なサービスがあることをご紹介してきましたが、具体的にはどのようなサービスがあるのでしょうか?また、そのサービスを組み合わせることで、どのようなことが実現できるのでしょうか?

まずは代表的な5つのサービスをご紹介します。

    • Amazon S3(Amazon Simple Storage Service)
      AWSのオンラインストレージサービスです。クラウド上にデータを保存し、インターネット環境があればどこからでも閲覧・編集を行う事ができます。
    • Amazon RDS(Amazon Relational Database Service)
      AWSのデータベースサービスです。さまざまな情報をデータベースとして管理できます。パッチ更新などを簡単に行うことができます。
    • Amazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)
      AWSの仮想レンタルサーバーサービスです。Webサイトを構築・運用することができます。容量やアクセスの量によって料金が変動し、急激なトラフィック増加に対応できます。
    • Amazon Cloud Front
      AWSのコンテンツ配信サービスです。動画や画像といったコンテンツファイルを、Webサイトなどで簡単に配信できます。
    • Amazon EMR(Amazon Elastic MapReduce)
      AWSの高速処理サービスです。大量のデータを効率よく高速に処理することができるため、機械学習やビッグデータ分析などに使われるサービスの一つです。

こうしたサービスを組み合わせ、活用することによって、さまざまなものを構築することができます。例えば、以下のようなものに使われます。

      • バックアップサーバーの構築
      • ファイルサーバーの構築
      • システム開発環境の構築
      • AI(機械学習)の構築
      • ビッグデータの分析
      • IoTサービスの構築
      • Webサイト構築

AWSは活用の幅がとても広く、ここでは紹介しきれませんが、イメージだけでもつかんでいただけたらと思います。後述しますが、AWSの公式サイトが発表している事例などもご確認ください。

AWSの導入・活用事例

さらにイメージを広げるために、具体的な導入・活用事例をいくつかご紹介します。

ゲームのサーバーに

任天堂株式会社と株式会社ディー・エヌ・エーでは、AWSのクラウドサーバーサービスを利用しています。ゲームでは一度にたくさんの人がアクセスするため、サーバーに負担がかかりやすいです。AWSのクラウドサーバーサービスを利用することで、多くのアクセスが集中してもトラブルなくゲーム配信ができています。また、大幅な運用工数の削減にもつながっています。

>>https://aws.amazon.com/jp/solutions/case-studies/nintendo-dena-2020/

WebサイトやインフラをAWSに

ビールや酒類、飲料事業を中心に展開するキリングループでは、顧客接点となるコーポレートサイト/ブランドサイトや Web 会員サイトの IT インフラ基盤など、オンプレミス環境での運用をAWSへ移行。月額コストを最大25%削減しています。

>>https://aws.amazon.com/jp/solutions/case-studies/kirinholdings-nttdata/

航空業界のデータ分析に

全日本空輸株式会社(ANA)では、データ分析分野のデータベースをAWSに移行しました。運行実績や貨物輸送の実績などを蓄積し、データ分析環境を整え、サービスの質や利便性の向上につながっています。

>>https://aws.amazon.com/jp/solutions/case-studies/ana/

AWSを導入するにあたって注意すべきこと4つ

ここまでAWSの概要やメリット、できることなどについて説明してきました。導入後のイメージが湧いてきたのではないでしょうか?

本章では、AWSの導入を検討するにあたって特に注意すべきポイントを4つご紹介します。

1.導入目的をしっかりと立てること

よく伺うのは、「DXのためにも、クラウドを導入することが良いらしい」という声から、いきなり導入してしまうことです。AWSに限らずシステムやITツールなどを導入する際は、必ず目的を立てましょう。

AWSを導入して何をしたいのか、何を実現したいのかなどの点を明確にしなければ、効果的なAWS導入にはならないでしょう。

2.AWS専任担当者を用意すること

AWSは基本的に個別サポートなどなく、サービス提供のみです。トラブル発生時など、慌ててしまわないよう専任担当者を用意すると良いでしょう。少人数で対応する必要がある場合は、ベンダーに頼ることも視野に入れましょう。

また、年々新たなサービスもリリースされます。専任担当者が日々「AWSでできること」考えながら情報収集をしていけば、効果的なAWS活用が進みます。

3.移行計画をしっかりと立てること

オンプレミス環境からAWSなどのクラウド環境へデータやシステムなどを移行する際は、しっかりと計画を立てた上で行いましょう。特に自社専用にカスタマイズをしているオンプレミスからパブリッククラウドへの移行は注意が必要です。

例えば、Amazon RDSへの移行は、実は簡単ではありません。確認すべきポイントが多数あります。「高額な商用データベース運用の救世主、Amazon RDSに迫る!AWSで実現するクラウドネイティブなデータベースとは。」の記事も合わせてご確認ください。

これまで蓄積されたデータやシステムの種類が多ければ多いほど、移行作業は骨が折れます。移行が得意なベンダーに協力を依頼すれば、効率よく短期間で移行することができるでしょう。

4.セキュリティ対策をしっかりと考えておくこと

パブリッククラウド環境に関してよく聞くご不安は、セキュリティ対策についてです。本記事でもご紹介したとおり、AWSのセキュリティレベルは高いので、ご利用をおすすめします。

一方で、設定変更する場合やリアルタイムに検知をして手当をする場合など、AWSのセキュリティサービスだけでは難しいケースもあります。また、AWSのサービス自体に障害が発生したり、設定ミスなどヒューマンエラーによる対策漏れなどが起こる可能性もあります。

そのため、リスクヘッジとしてセキュリティ対策会社のサービスも合わせて検討するとよいでしょう。クラウド利用時のセキュリティに関しては下記動画で学べます。

>>クラウド利用の素朴な疑問を解決(セキュリティ編)

まとめ

いかがでしたか?

簡単・便利・利便性の高いAWSですが、導入時やシステム移行時、セキュリティ対策を考慮したときには、専門知識を有していないと対応が大変なこともあります。かえって金銭的なコストや、運用コストなどが掛かってしまうかもしれません。

そのため、ベンダーもうまく活用しながら、AWSを検討していくとよいでしょう。
APN(AWS Partner Network)であるシーイーシーでは、AWSに関して下記のようなサービスを展開しています。

ベンダーのサービスも同時に検討することで、活用までのスピードがあがり、活用の幅も広がっていくでしょう。AWSの導入や移行について随時相談を承っていますので、検討の際はお気軽にお問い合わせください。

自社のIT環境を進化させ、拡大・発展していくためにも、AWSを積極的にご検討してはいかがでしょうか?

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