「IE依存」対策、WebアプリのIEサポート終了に向けて今着手すべきことは

マイグレーション

Windowsの標準Webブラウザーとして確立されたInternet Explorer(以下 IE)ですが、2022年6月にWindows 10におけるIE11のサポートを終了することが発表されました。個人でIEを使い続けているユーザーは減少し別ブラウザーへ移行しているものの、IE利用を前提とした業務システムを所有、利用している企業はサポート終了までに対応が必要です。IEの現状と今後の問題について、解決策も含めてご説明します。

日本国内企業で利用し続けられるIEとその背景とは

ブラウザーとは、Webサイトを閲覧・操作するためのソフトウェアのことで、Internet Explorer(IE)のほかに、Google Chrome、Safari、Microsoft Edge(IEの後継)などがあります。IEを標準ブラウザーにしている企業は減少し、シェア率は低下しています。

Webブラウザーシェアランキング(2021年6月):日本国内
(出典:Webブラウザーシェアランキング(2021年6月):日本国内

1995年のWindows 95のリリース以来、IEは標準Webブラウザーとして人気を集め、2000年頃には9割のシェアを獲得するブラウザーに成長しました。当時、システム開発の際に使用されるブラウザーはIE一択で、多くのシステムがIEを介して誕生しました。2005年以降はFirefox、Google Chromeのシェアが伸びましたが、すでにIE依存で開発されていたWebアプリケーションは、他ブラウザーとの互換性がなく、切り替えられないまま日本国内の企業では現在も残り続けています。

2019年2月にMicrosoft社も公式ブログでIEの標準利用を控えるよう勧告し、切り替えを推奨しています。サポート終了後はIEの代わりに自動的にMicrosoft Edgeが起動しますが、IEのみで機能するコンテンツに対しては互換性がありません。

IE依存のWebアプリケーションを使い続けるリスク

IE依存のWebアプリケーションを使い続けるリスク「IEを使い続けることは企業にとって『技術的負債』を抱えることになる」と、Microsoft社のサイバーセキュリティアーキテクト クリス・ジャクソン氏は同社公式プログ内で述べています。

IEを使い続けると、HTML5やJavaScriptなどの最新機能が利用できず、表示の崩れや動作不良が起きる場合があります。
また、すでにIEを利用していないビジネスユーザーも多いため、IE依存のWebアプリケーションは利用ユーザーが限られてしまい、用途ごとにブラウザーを使い分ける煩わしさが発生するなど、機会損失につながってしまいます。

加えて、大きな問題としてセキュリティリスクがあります。実際に2014年には、IEの脆弱性を悪用したインシデントが発生しています。オンラインバンキング(みずほ銀行、ゆうちょ銀行)のパスワード入力時に偽画面が表示され、パスワードが窃取されました。
ここ1年ほどはリモートワークをターゲットにしたサイバー攻撃が増加し、ハッカーによるソフトの破壊や攻撃の踏み台となる事象もあり、IEでのセキュリティリスクが高まっています。

IE依存のWebアプリケーションを使い続けなければならない理由

サポート終了を控え、使い続けるリスクがあるにもかかわらず、企業がIE依存のWebアプリケーションを使い続けなければならないのには以下のような理由があります。

  • 他ブラウザーで起動しようとすると互換性がなく正常に使えないため、サポート終了を知りながらも使い続けるしかない
  • バグの修正などで使用できなくなると業務が止まり、顧客や社外に迷惑をかけるため、やむを得ず継続利用している
  • 新規システムの開発・導入に比べ、既存システムのリプレースには投資が行われにくい
  • 情報システム部がない、ITに詳しい社員がいないなどの人材不足

IEから他ブラウザーへ切り替えを行い、それに併せてWebアプリケーションを改修するには相応の時間と労力・コストがかかるため、決断やタイミングが難しく踏み切れないという企業は少なくありません。しかし、サポート終了が迫っている今、IE依存のWebサイト、アプリケーションへの対応に早急に取りかかることが必要です。

IE依存のWebアプリケーションに対して今すぐ着手すべきこと

IE依存のWebアプリケーションが今すぐ着手すべきことIE依存のWebアプリケーションに対する根本的な解決方法は、マイグレーションを行う(IE依存のWebアプリケーションを最新ブラウザー向けにIE依存部分を改修する)ことです。マイグレーションには、シェア率の高いブラウザーを一つ選択して移行する方法と、マルチブラウザーに対応するようにマイグレーションする方法があります。既存システムや蓄積されたデータは企業にとっては資産であり、それらを活かしつつモダナイゼーション(既存システムのメインフレームを変革すること)も絡めた対応を検討するのもよいでしょう。

マイグレーションには検証や調査が必要であり、段階的に進めていかなくてはなりません。例えば弊社のマイグレーションサービスでは、ブラウザー変更に伴う影響箇所を調査し、修正箇所のリスクを見極めた上で最適な変換を実施します。対応ブラウザーが多い場合には、ブラウザーごとの動作確認作業も多くなります。このように、根本解決法であるマイグレーションには時間を要するため、今すぐにでも取り組む必要があります。マイグレーションが完了するまでの期間は、下記のような暫定措置をとって対応するとよいでしょう。

    • ・Microsoft(Chromium版)EdgeのIEモード使用
      ※IEモードは少なくとも2029年まではサポートが続く予定
    • ・Google ChromeのIE Tab利用
      ※拡張機能に「IE TAB」をインストールする方式でIEモードとして使用できる

 

ただし、設定が必要であり、IEモードは期限あり

暫定措置が可能な期間は限られているため、サポート終了に間に合うようにマイグレーションなどの根本解決に今すぐ取りかかるべきです。

まとめ

今回は、IEのサポート終了を控え、今すぐに着手すべき対応についてお伝えしました。IEのサポート終了までの短期間にアプリケーションの改修を自社で行うのは簡単ではありません。ブラウザーごとの互換性の検証や調査に対する知見と経験のあるマイグレーションベンダーを選び、マイグレーションサービスを利用するのが好ましいでしょう。
弊社では、自社の老朽化したシステムへの対応が必要だったため、マイグレーションとマルチブラウザー対応を行い、IE依存の脱却を実現しました。
システム画面の見た目や使い勝手を変えることなく脆弱性だけを解消し、弊社もパートナー企業もそれまで通りシステムを利用できるようになりました。導入事例はこちらをご覧ください。
弊社事例のような、マイグレーション・マルチブラウザー対応だけではなく、今後のDX促進のためにも、モダナイゼーションも見据えた旧システムへの対応が必要です。ぜひ、お気軽に弊社にご相談ください。

【関連動画】脱IE! Internet Explorerからのブラウザー移行 企業に潜む課題とは

2022年6月15日にWindows 10におけるサポートが終了するInternet Explorer(IE)11。終了に伴い、別ブラウザーへの切り替えが必要になります。しかし、IEからの脱却が進まない企業も多い状況。今回は、これまでの歴史から、IE脱却が進まない理由やIEの脆弱性によるセキュリティ事故の実例などを解説します。

【関連動画】脱IE! Internet Explorerからのブラウザー移行。<課題解決編>

IEからの脱却に向けた具体的な暫定処置や根本解決などをご紹介。また、マイグレーションを選択した場合の具体的な流れも紹介しています。

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