ものづくりの人手不足をIoTで解消。人・モノ・設備の連動で「安全につながる工場」とは?-CEATEC 2019レポート-

2019年10月15日から18日の4日間、千葉県千葉市の幕張メッセで「CEATEC 2019」が開催され、「つながる社会、共創する未来」をテーマに、経済発展と社会的課題の解決を両立する『超スマート社会(Society 5.0)』の実現を目指すICTやエレクトロニクス分野の最先端技術が一堂に会しました。本コラムでは、「IoTを活用し工場の人手不足を解消!設備・人・モノが連動し、安全につながる工場へ」をテーマに、最新のテクノロジーでスマートファクトリーを実現するソリューションが並んだ、シーイーシーの展示ブースの模様をレポートします。

目次

スマートグラスで自動翻訳と遠隔支援を実現。スマートデバイス・作業者支援「EdaGlass」

今回の展示ブースで最も注目されたソリューションの1つが、スマートデバイス・作業者支援システム「EdaGlass(エダグラス)」です。音声認識した会話を英語や中国語に自動翻訳して、スマートグラス上にテキスト表示できるため、言語の壁のある外国人作業員や聴覚障がい者、騒音のある作業環境でのコミュニケーションに役立ちます。また、現場の作業員に見えている映像をスマートグラス経由で遠隔地に送信し、離れた場所から細やかな作業指示・作業支援を行えるため、人材不足解消やダウンタイム削減に効果的です。会場では近未来的な衣装に身を包んだイベントコンパニオンがスマートグラスを片手に「EdaGlass」を紹介。スマートグラスをのぞき込んで、表示を確認する来場者の姿が見られました。

各種アラームをスマートデバイスに通知。ウェアラブル型作業者支援「SmartFollow」

作業員と情報を結びつけ、現場作業を支援するソリューションとして、ウェアラブル型作業者支援システム「SmartFollow(スマートフォロー)」も注目を集めました。作業員のスマートフォンやスマートウォッチに、設備故障や停止といったアラームをリアルタイムで通知できます。内容によって適切な作業者に通知を行うため、設備停止にスピーディに対応でき、ダウンタイムの短縮や、稼働率向上に役立ちます。

設備・人・モノをIoTで連動する4つのソリューション。工場全体の可視化で生産性向上

IoT(モノのインターネット)で設備・人・モノの連動を実現するものづくりソリューション「VR+R(ヴイ・アール・アール)」のラインアップから、代表的な4つのソリューションが紹介されました。

Facteye(ファクティエ)

「設備」の稼動監視・実績管理システム「Facteye(ファクティエ)」は、さまざまな設備や機械につないで、稼動実績を簡単に収集できます。工場のリアルタイム監視を実現し、各種データの多角的な分析や、適切な予防保全を可能にします。

SmartLogger(スマートロガー)

「人」の情報を収集するのが、作業計測・分析システム「SmartLogger(スマートロガー)」です。スマートフォンやスマートウォッチをビーコンに近づけるだけで、作業時間を自動集計。作業分析を手軽に行えます。

WiseImaging(ワイズイメージング)

「モノ」の情報は、高精度画像検査システム「WiseImaging(ワイズイメージング)」で収集できます。AI・ディープラーニングを活用して、判別しにくいキズや汚れ、異物の混入や破損など、目視検査や外観検査全般に適用可能です。

Visual Factory(ビジュアルファクトリー)

設備・人・モノから収集した情報を紐づけて一元管理できるのが、工場情報基盤システム「Visual Factory(ビジュアルファクトリー)」です。生産現場全体をデータに基づいて「見える化」できるため、緊急対処と計画策定の両面で、迅速で的確な意思決定に役立ちます。

サイバー攻撃と物理セキュリティに同時対応。工場セキュリティソリューション「SecureCross Factory」

工場のIoT化が進むとともに、サイバー攻撃のリスクも高まっています。工場セキュリティソリューション「SecureCross Factory(セキュアクロスファクトリー)」は、工場を「生産エリア」「専有エリア」「共有エリア」「屋外エリア」という4つのエリアに区分し、それぞれに必要なセキュリティ対策を豊富なラインアップから提供します。IoTデバイスへのサイバー攻撃のブロックや、生体認証といったICTセキュリティのほか、2019年からはセントラル警備保障との協業で、防犯カメラの画像監視や、緊急時の駆けつけ対応などの物理セキュリティも提供しています。

サイバー攻撃による設備停止に対抗。産業用制御システムのセキュリティ対策「ICS Defender」

SecureCross Factory ICS Defender」は産業用制御システムのセキュリティ対策ソリューションです。工場ネットワークに侵入する脅威をいち早く検知し、不正な通信を遮断することで、プログラム改変などによる設備停止から工場を守ります。設備の稼働監視・実績管理システム「Facteye」との連携で、設備稼働とセキュリティを一元管理できます。セキュリティ専門チームによる24時間365日の監視サービス「CEC SOC」と連携して、さまざまな脅威に対する初動対応までを実施できます。

かんたんセットアップで連続稼働を実現。無停止型エッジサーバー「Stratus ztC Edge 110i Secured by Trend Micro」

「Stratus ztC Edge 110i Secured by Trend Micro」は、日本ストラタステクノロジー、トレンドマイクロとシーイーシーが協業し、産業用IoT領域に向けて提供する無停止型エッジサーバーです。あらかじめ仮想化機能が実装されており、2台で冗長化されているため、連続稼働を簡単なセッティングで実現できます。ファイアウォールやアクセス管理、不正プログラム実行防止といったセキュリティ機能もセットアップされています。耐久性が高く、さまざまな場所への設置が可能です。

IoTでトラック待機や人手不足を解消。物流ICTソリューション「LogiPull」

IoTを活用した物流ICTソリューションとして展示されたのが「LogiPull(ロジプル)」です。工場や物流センターのバース(積み降ろしスペース)を事前予約できる「バース予約管理システム」を中心に、バース実績や車両入退といった構内の物流を一元管理します。来場車両の分散や、積み荷の事前把握ができるため、トラックの待機時間の削減や、人員の効率的な配置に効果的です。会場にはバース予約アプリケーションがインストールされたタブレット端末が展示され、来場者は熱心に眺めていました。


当日の様子はこちらの動画からも、ご覧いただけます!
シーイーシーは最新の技術と豊富な知見でものづくりの課題解決に貢献します。ご興味をお持ちの方はお気軽にご相談ください。

関連サービス

■スマートデバイス/作業者支援システム「EdaGlass(エダグラス)」

■ウェアラブル型作業者支援システム「SmartFollow(スマートフォロー)」

■設備の稼動監視・実績管理システム「Facteye(ファクティエ)」

■作業計測・分析システム「SmartLogger(スマートロガー)」

■AI・ディープラーニングを活用した高精度画像検査システム「WiseImaging(ワイズイメージング)」

■工場IoTデータ可視化サービス「Visual Factory(ビジュアルファクトリー)」

■工場セキュリティソリューション「SecureCross Factory(セキュアクロスファクトリー)」

■産業用制御システムのセキュリティ対策「ICS Defender(アイシーエスディフェンダー)」

■トラック積降効率化ICTソリューション「LogiPull」

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