導入事例に見る、自治体のクラウド・バイ・デフォルト- クラウドサービスの活用は働き方改革・BCPの重要なカギ –

政府によるクラウド・バイ・デフォルトの流れを受け、自治体の業務にもクラウドサービスの導入が進んでいます。


クラウドの活用が成功している自治体では、クラウドをどのように利用しているのでしょうか。クラウド活用を成功させるためのポイントについてご紹介します。

目次

多くの自治体が、クラウドサービスの導入へ

クラウド・バイ・デフォルト原則は、2018年に政府が発表したガイドライン「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」に記載されています。政府情報システムを構築するときには、第1候補(デフォルト)としてクラウドサービスの利用を考えるべきとするものです。

ガイドラインの中には、「これまで政府では、情報セキュリティや移行リスクへの漠然とした不安、不十分な事実認識等から、クラウドサービスの利用に前向きでなかった側面が否定できない。一方、多方面にわたり、クラウドサービスの利用が増加してきている。」(原文ママ)とある通り、政府としてもクラウドサービスへ舵を切る姿勢がうかがえます。

その理由は、クラウドサービスには、迅速なシステム構築、データ利用量に合わせたリソースの増減、高い信頼性や可用性の実現、災害対策(事業継続計画:BCP)など、さまざまなメリットがあるからです。
このような政府の動きに合わせ、クラウドサービスを導入したり、導入を検討したりする自治体が増えつつあります。

自治体のクラウドサービス活用事例

自治体のクラウド活用について、実際の取り組みをご紹介します。広島県庁では、セキュアなクラウドストレージ「Box」を業務に取り入れています。セキュリティの高いパブリッククラウドであるBoxとクラウド型コンテンツ管理基盤を利用することで、時間や場所を問わず、さまざまな環境から業務ができます。これによって、庁舎にいる時間を減らし、フレキシブルな働き方が可能になりました。

広島県庁がクラウドストレージを導入したきっかけの一つとして、西日本豪雨(2018年7月)が挙げられます。

その際には、広島県全域に被害が発生するとともに県庁自体も被災し、自治体内での情報共有に遅れが出てしまいました。停電やシステムへのアクセス集中などによって災害現場の写真をリアルタイムに共有することが困難になり、対応が後手に回ってしまったのです。これを教訓として、広島県ではBoxを活用し、アプリを使ってさまざまな端末から現場の写真をアップロードできる仕組みを構築しました。これにより、災害時の対応を迅速化でき、Boxは事業継続計画(BCP)の一環としても機能しています。

クラウドストレージを最大限に活用する方法とは

自治体で活用されているクラウドサービスは、主にBoxや、Office 365に含まれるOneDriveなどのクラウドストレージです。文書をクラウド上に保存して共有することで、いつでもどこからでも業務が可能になり、業務効率化を進められます。また、クラウドストレージに保管した電子書類は、紙の書類とは違ってバックアップが容易なので、公文書の保管や災害対策にも適しています。

クラウドストレージをさらに活用するためには、紙の書類をスキャンして管理・保管できるサービスを組み合わせることも有効です。これにより、自治体が扱う書類のほぼすべてをクラウド上で扱えるようになり、ペーパーレス化や業務効率化、BCPに貢献できます。

自治体のスキャンサービス活用事例

では、自治体で書類のスキャンサービスはどのように活用されているのでしょうか。

松阪市では

マイナンバー制度の開始をきっかけに、シーイーシーの認証印刷ソリューション「SmartSESAME SecurePrint!(以下、SecurePrint!)」とスキャンソリューション「SmartSESAME MultiScan!(以下、MultiScan!)」を導入しています。文書の電子化や電子決裁を推進することで、業務効率化につなげています。
自治体ではマイナンバーをはじめ多くの個人情報や機密情報を扱いますが、SecurePrint!やMultiScan!は文書の操作に本人認証が必要なので、セキュリティも十分です。

宇都宮市では

平成26年度から「宇都宮市レスペーパー化の推進に係るアクションプラン」という取り組みを進めています。こちらもSecurePrint!とMultiScan!を導入し、文書の電子化や電子決裁を進めることで、業務を効率化できました。
ICカードで認証する印刷機能のおかげで、通常の文書よりも強いセキュリティを実現しています。これは、職員が普段から利用しているICカードを本人認証に利用する方法です。印刷に本人認証が必要になったことで、ミスプリントの削減にもつながりました。

このように、書類のスキャン、印刷を管理するサービスやクラウドストレージは、「なくてはならないインフラ」として複数の自治体で導入され、定着しています。

まとめ

自治体業務にクラウドサービスを取り入れるなら、まずはセキュアなクラウドストレージの導入が効果的です。さらにクラウドストレージと連携したソリューションを取り入れることで、業務の効率化が図れます。
働き方改革やBCP対策としてのクラウドストレージの活用には、まず申請書類など紙で扱っていた文書をデータ化する必要があります。データ化により、文書の共有・閲覧の効率化や保管場所の削減ができ、その結果、クラウドストレージ活用の最大のメリットである、働く場所にとらわれないワークスタイルが実現可能です。

クラウドストレージとMultiScan!をはじめとするスキャンサービスを組み合わせると、簡単に文書をデータ化することができます。またMultiScan!ならマルチメーカー対応のため、庁舎内にさまざまなメーカー・機種の複合機が混在していても導入が可能です。今ある複合機をそのまま使用できるので導入コストの抑制につながります。
文書の電子化に課題がある場合は、この機会にご検討されてはいかがでしょうか。

関連サービス情報

宇都宮市役所様 導入事例(SmartSESAMEのページが開きます。)

  • URLをコピーしました!
目次